ディアブロ☆~共同生活約150日~
第14章 初めて
翌日も朝からの仕事で
琉斗くんもいつも通り
みんなと仕事に向かった。
(今日は…逞くん、純くん、水輝くんは
収録で泊まりか…。
奏太くんはドラマで遅い。
琉斗くんは予定通りなら
19時には帰れるのね。)
体調が悪い琉斗くんは
その日は運良く
早めに帰って来れる様だった。
(今日の夕食は奏太くんと琉斗くんの分か…。
また何か温まるもの作ろう。)
そう考えながら私は
自分の仕事に取りかかった。
「仕事終わった。」
琉斗くんからメールが届いたのは
夜18時過ぎだった。
そのタイミングで私は夕食を作ったが
19時を過ぎても琉斗くんは帰って来なかった。
(琉斗くん…遅いなぁ。
テレビ局で誰かに捕まってるのかな。)
そんな考え事をしていたら
ドアが開く音がした。
「ただいま。」
『おかえりなさい。』
時計は19時40分。
順調に仕事が終わっても
すぐに帰れない時もよくあるから
私はさほど気にせず夕食を出した。
『熱少しは下がりました?』
「うん。だいぶね。」
『良かった。でも油断禁物ですよ。
今日もいっぱい寝てくださいね。』
「夕食の片付け終わったら
ちょっと部屋来てほしい。」
『えっ……。』
私はそう言われて
以前琉斗くんの部屋に
行ったことを思い出し
露骨に顔に出てしまった。
「何も企んでないよ。
ちょっと渡したい物あるから。」
『はい…。』
琉斗くんはそれに気づいて
ふふっと笑いながら
優しく私に言った。
私は食器を洗って
琉斗くんの部屋へ向かった。