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隣人は狼系男子っ!

第2章 新学期で新生活

暴言に対し何か言い返したい気持ちもあったが、そんなことは一瞬で吹き飛ぶ程の容姿で思わず見入ってしまう。

黒曜石を思わせる鋭い切れ長の目、思わず嫉妬してしまいそうなほど長いまつげ、高くて通った鼻筋、無愛想に真一文字に結ばれた薄い唇。

目つきと態度こそ悪いものの、まるでモデルのような男に、ひなのは一切反論できず、あわあわしていると

「お前いくつだよ? こんなところで大声出して泣きわめいて。バカじゃねーの?」」

たとえ美形であっても、これはない。失礼すぎると、さすがのひなのも反論をする。

「ちょ、ちょっとー! さっきから黙って聞いてれば……」

「ほら、いいから涙と鼻水、とっととふけよ」

ひなのの反論を最後まで聞かず、男はぶっきらぼうに視線を外し、ハンカチを差し出す。

ハンカチはシンプルだけど清潔感があり、綺麗にアイロンがけされているようだった。

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