方位磁石の指す方向。
第6章 scene 5.5
「あい、…雅紀の手、
あっかいね。」
「ふふ、そう?」
「うん、すごいあったかいよ。
心冷たいのかな?笑」
「違うよ。心もあったかいの。」
「んふふ、だねぇ。」
そんなふうに嬉しそうに
笑ってくれる。
…あー、もう。
本当に大好きだ。
こんな可愛い笑顔、
他の人に見せたくない。
独り占めしたい。
「俺コーヒーゼリー。」
「寒いんじゃなかったの?」
「気分が変わった。」
「…はいはい。
じゃあ俺ホットコーヒーに
しよっかな。」
「俺も飲む。」
「智飲めないじゃん。」
「ちょーせんちょーせん。」
「残さないって約束できる?」
「うん!」
ー数分後ー
「これ苦い。美味しくない。
雅紀にあげる。」
…バカだなぁ。
だからやめろって
言ったのにさ。
「約束したじゃん?
飲まなきゃダメ。」
「やだー」
「じゃあちょっと待ってて。」
カップを持って、
ドリンクバーのミルクと砂糖をとる。
それをコーヒーの中に入れれば
きれいに混ざっていく。
「んっ、なにこれ!
美味しい!」
「雅紀マジックだよ。」
「ええっ!?
相葉ちゃん、すごお!」
「ふふっ、すごいんだぞ。」
傍から見れば
ただのバカップル。