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方位磁石の指す方向。

第6章 scene 5.5

相葉side



最近よく思うことがある。

智はほんっっっとに
可愛いと思う。

あと、魅力的だと思う。


小さくて可愛いけど
しっかりした手とか。
綺麗だしね。

くっきりとした喉仏とか。


もう全部、体のパーツが
綺麗なんだ。

羨ましい。

俺の隣なんかにいて
いいのか?って思うほど
綺麗で、魅力的で。


「雅紀、入ろ」

「ん、」


繋がれた手が熱い。

智といると、
どうも落ち着かない。


どうしても、最悪のことを
考えてしまう。

自意識過剰だってのは
わかってるよ。


でも智に触れて欲しくないから。
俺だけがいい。

ふわふわの髪の毛を撫でるのも
この綺麗な手を握るのも。

全部全部、俺だけがいい。

俺だけにしてほしい。

俺が智の一番なんだ。

これだけは、本当に譲れないんだ。


「…ふぁぁ」

「ふふっ、今度はあくび?
昨日夜ふかししたの?」

「んーん…
明日なに着てこうかなあって
迷ってたら、遅くになっちゃって…」

「服なんて、なんでもいいのに。
智はなんでも似合うよ」

「そう?」

「うん」


智がそっかぁ、って嬉しそうに
笑うから、こっちも嬉しくなる。

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