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思春期なのです。

第3章 予想的中

耳に息がかかって、思わず体が震えた。愁はそれをみてニヤリと口角を吊り上げて、

「耳、もしかして弱い?」

わざと息を大きくしてささやく。あたしは答えられず、ただ震えるだけ。

「確かめてみよっか…」

瞬間、ぬるっとした生暖かいものが耳を這った。

「ひゃあっ」

ぞわっとした、知らない感覚。
愁が何をしているのかようやく分かった。

舐めてる。舌で、あたしの耳を。
穴から耳朶、耳の裏までを丁寧にねっとりと舐めつくしている。
そのたびにあたしは吐息を漏らした。

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