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思春期なのです。

第4章 朝ですよー

まだ話は終わってないのに、という様な愁ママをすり抜けて、逃げるように走った。

知ってる。愁ママがなんで夕飯をひとり分多く作るのか。
あたしをどれだけ心配してくれてるのか。
制服を買ってくれたのだって、入学祝とか、そんなの建前で、あたしがブレザーに憧れてたこと、制服を着て普通に学校へ通いたかったことを分かっていたからなんだってことくらい知ってる。

そんな愁ママのもとで暮らせると幸せなんだろうなって思う。

でも、それは正しいの?

迷惑をかけるだけじゃないの?

もう誰にも負担をかけたくない。でもどの道が正解なのか分からない。

そんなあたしは、重荷になるだけなんだ。

アパートに着いて、制服を手に取った。

赤いチェックのスカートが特徴のかわいい制服。

なぜか涙が出た。

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