テキストサイズ

思春期なのです。

第1章 いきなりっすか

なんて後悔している間にも愁はじっと見つめてくる。その目は真っ直ぐあたしを映していて引き込まれそうで…。

「…好きだよ」

ぽろっと、そう言ってしまった。

いやいやいや。なにがぽろっとだよこんな重要なこと軽々しく口にするな自分。

「本当に?」

ほらすっげえ目えキラキラさせてんじゃんバカタレどうしよう今さらやっぱなしはありかいや無しだろう

もうどうにでもなれ‼

「うん」

咄嗟に笑顔をつくる。案外自然にできた。
するとどうだろう。愁が今まで見たことない顔で笑って、あたしの体に腕を巻き付ける。
「嬉しい」
ハグ、されてる。ぎゅうっと、力一杯。それだけじゃない。あたしの肩に頭をのせて、すりすりと、ねこのように。
なんだこいつかわいい。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ