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思春期なのです。

第5章 学校

「ちょっ…亜紀?」

地面が歪んだ理由はもうわかってて、でも目から落ちる涙をとめられず。

いきなり泣き出したもんだから美羽はびっくりしたようでおろおろしていた。

すると数人の足音が聞こえてきて、目の前で止まった。

「なんじゃ、泣いとんのか」

顔をあげると、男の子がしゃがんであたしの顔を覗きこんでいた。

「ひっ!」

悲鳴をあげて思わず引き下がった瞬間、右足がビキッと嫌な音をたてた。

痛い。動かせない…。

訛っているその男の子は痛そうじゃのう、と言いながらあたしの足をひょいっとあげた。

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