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男子校の恋愛事情

第4章 研修中の苦悩

翌朝

息苦しさを感じて目を開けると目の前にある先輩の顔

いや、正確には顔があるというよりも…

「んっ…ぁ」

キスされていた

この先輩は……!!

「朝っぱらから寝込みを襲ってんじゃねぇ!!!!」

とりあえず吹っ飛ばした

「ってぇな!蹴り飛ばすことねーだろ」

目が覚めたと思いきやキスされてたら誰でも抵抗するだろ!

「寝ている相手にキスしてくる先輩が悪い」

「目の前に好きなやつがいたらキスの一つや二つしたくなるに決まってんだろ」

…何で俺が変なこと言ってる雰囲気になってるんだよ

って待て待て顔近づいて来てんだけど!

反射的に顔を背けると頬に感じる柔らかい感触

「顔そらすな」

「ちょっ、やめ…んぅ…」

顎をつかみ先輩の方を向かされるとまたもやキスしてきた

最初は抵抗していた俺も次第に心地よくなって最後には抵抗するのを諦めてされるがままだった

「…ハァ…。お前さ、何で今日はそんな抵抗するわけ?昨日はあんなに素直だったってのに」

「き、昨日は…精神的にも弱ってたからで…」

昨日の自分を思い出すと恥ずかしすぎて穴があったら入りたい…

本当に昨日の俺はおかしかった。自分で言う。キモイ

「は、なに。じゃあ側にいたのが別のやつだったらそいつにも昨日みたいなこと許したわけ?つーか……どこまでが本当なの」

助けてくれたのが先輩じゃなかったら……?

もし他の人が助けてくれて昨日の先輩みたいにキスされたりしたら俺は受け入れてたのか?

…いや、そんなわけない

「先輩以外だったらそもそも家に入れてないし、キスなんてもってのほかだから。それに、弱ってたからって昨日言ったことは嘘じゃない」

「じゃ、昨日好きって言ってくれたのも嘘じゃないんだな?」

「……嘘じゃない」

そう言うと俺をぎゅっと抱きしめてそのままベッドに倒れる

「はーー焦った。吊り橋効果ってやつだと思ってマジで心配になった」

「えと……ごめんなさい?」

「なんで疑問形なんだよ。ま、俺のこと好きならそれでいいけど」

抱きしめられた腕が緩くなったかと思えば、先輩の手が頬に添えられる

「翔空、好き」

あーもう先輩がそんな風に呼ぶから、そんな顔で俺を見るから、いつの間にか俺も先輩のこと好きになっちゃったんだよ

「うん、知ってる」




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