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なぜ?

第3章 変化

「ガブリエル。私も乗せてくれる?」
「ブー」
名津子の問いかけにガブリエルはゆっくりと頭を下げた。
名津子が馬の頸に跨がったのを見計らい、馬はゆっくりと頭を上げ、俺の前に名津子は滑ってきた。

「ねえ。そんなに簡単に乗せてくれるんなら、俺もそれで乗りたかったんだけど。」
「えっ?!ああっ…でも、ジュノさんだと、跨がった瞬間に思いっきり頭上げると思いますよ。そんなことされたら、大変でしょ?」
そういうことか。俺は馬にバカにされてるってこと?!気に入らないな。
その上、チビまで笑ってるからますます気に入らない。

「じゃあ戻りますよ。しっかり掴まって下さいね!」
名津子のシャツを少し握った。
「もう!落ちますよ!ガッツリと持ってもらわないと!私だって恥ずかしいんです!我慢して下さい!」
名津子は俺の腕を自分のお腹の前で交差させた。
「とばしますよ!」
「えっ!?」
「大丈夫!絶対に無事に皆さんの元にお連れしますから!」
だからクスクス笑うな!

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