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なぜ?

第3章 変化

はっ速いっっっ!このチビ、ホントに飛ばしやがる!

「大丈夫ですか!?」
「全然平気だしっ!」
「じゃあ、もうちょっと上げますね~!」
上げるって、まさかスピード?マジ?!俺、落馬したんだぞ?容赦ねえな~。

でもコイツの背中、暖かいな。抱き心地もちょうどいい。何だろう?ホッとする。

「ジュノさん!目、開いてますか?!」
「怖くないしっ!」
「ふふっ。絶対に落としませんから、目、開けてて下さいね!
すっごくキレイな景色ですよ!」
「………っ」

目の前には、見渡す限りの草原が広がっていた。
今まで馬に乗るのに必死で辺りの景色なんて、全然見えてなかった。
景色はいつもそこにあったのに、心にゆとりがないばかりにまったく見えなかった。


アイツもそうだったのかな?
俺がツアーだアルバムだと必死になりすぎてて、アイツからのサインにはまったく気づかなかった。だからアイツは…

「リナ…」
俺はそのまま名津子に体を預けて眠りに落ちた。

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