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なぜ?

第4章 想い

「お邪魔します~。」
誰もいるはずのない音楽室のドアを開けて中に入る。

中央にあるグランドピアノ。開けば、スタインウェイの文字。
「さすがアリエル!一流のピアノだ!」

名津子はゆっくりとコードを奏でた。

音楽室に響く悲しいバラードと名津子の歌声。
音楽が人の心を表すものだとしたら、名津子の心は常に暗い。


almazの悲しいメロディが流れる。
幸運に恵まれた女の子を羨ましく思う気持ちを歌った曲だ。
最初のサビを歌い出したとき、名津子の頬に一筋の涙が流れた。




なぜ…?なぜあなたは…

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