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ハアハア。やっと着いた。
「ミンヒョン！話があるんだ！」
言葉と同時にドアを開けた俺を、名津子とミンヒョンの笑い声が包んだ。

「えっ？ホントに彼氏いないの？」
「いませんよ。結婚もしたことないし、子供もいません。日本ではね、こういうのを負け犬って言うんです。」
「亮介くんは？」
「亮ちゃん？彼はクラブに昔いた先生。そんなに親しかった訳じゃないんですよ。担当の指導教官でもなかったし。」
「じゃあ…」


「何してんの！？」
「ジュノ！」「ジュノさん！？」
「ねえ、こんなところで、二人で何してんの？もう夜中だよ！」
「ジュノ！心配したぞ！体調はどうだ？」
ミンジュンがかけてくれる優しい言葉ですら、神経を逆撫でする。

「俺、体調悪いんだ。名津子、俺の面倒みてくれるんだろ？こんなところにいないで、さっさと来いよ！」
俺は名津子の手を掴んで、ひきずるように歩きだした。
「ジュノさん！痛いよ！」
「さっさと歩けばいいだろ！？」
「おい！ジュノ！」

ヒョンのことを無視して、力任せにドアを開け、どんどん進んでいく。
前からウヨンが歩いてきた。

「ジュノ！ヒョンいただろ？」
「…」
ウヨンを無視してそのまま歩いた。



「ヒョン。何かあったの？」
「ああウヨンか…わかんないんだよ。名津子と話してたら、怒って名津子を連れてったんだよ。」
「ジュノさ～、ヒョンに名津子を盗られるって思ったんじゃない？」
「盗る？俺がか？」
「焼きもちだよ。怖いね～ジュノの嫉妬は！」