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なぜ?

第11章 本能

「名津子~会いたかった~!」
「ミンジュンさん!私もっ!」
ミンヒョンと名津子が再会のハグをしてる。離れろ。早く。今すぐ!直ちに!

「あら~ジュノちゃ~ん!久しぶりね~。お尻、誰かにやられてない?私が一番にもらうんだからっ!」
やめろ。ヒグマ。こっちに来んな。触るな!名津子以外に触られたくないっ!

「ジュノちゃん、どうしたの?さあ再会のハグしてよっ!ジョディ、愛してるって!」
無理。俺の背骨が折れる。第一そんな岩みたいな背中、腕が回らないし。

「ジュノ、ジョディが待ってるぞ。早くしてやれ。」
ミンヒョン。どや顔で笑ってないで、早く名津子から離れろ。名津子もいつまでミンヒョンに抱きついてんだ!?相手は俺だろ!?

「もうジュノちゃん、照れちゃってっ!」ギュ~~~~っ!!
「ギャ~~~~!!」



それから俺たちは4人で夕食をとった。
久しぶりの名津子のご飯、やっぱり美味い。トゲトゲした気分も収まってきた。

「なあ、今日はお店はもういいの?」
「ああ。最近ね、忙しくって。どっかのバカが、写真なんか載せるから。」
「商売繁盛で良かったんじゃないのか?」
「限度があるわよ。で、そのバカ、自分のせいで名津子が忙しいのに、ちっとも電話に出ないだの、寝るのが早いだの文句つけてんのよ。」
「ふーん。」
「だから、売り切れたら閉店することにしたの。」
「このバカのため?」

どっかだの、そのだの、言ってるけど全部俺だって言いたいんだよな?
俺だって、こんなことになるなんて、思ってなかったし!

「まさか、私と名津子のためよ!睡眠不足は美容の大敵よ!」
「ジョディには関係ないんじゃない?」
「ジュノちゃん、いつでもいいのよ~。」

すみません。俺が悪かったから、美味しそうな肉を見る肉食獣の目で見ないで下さい。

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