テキストサイズ

異世界での出来事

第5章 都会へ

「寄付ですか?試験ですか?」

教会に入ってすぐ聞かれた。

「試験?何の?」

「治癒魔法の試験のことです。」


お祈りも興味あるけど、試験も興味ある。

天秤にかけて「試験してください。」

「金貨3枚です。」

金貨を払い、奥の部屋に連れていかれた。


「この部屋は?」

「病室です。」

「では、始めよう!」

「この患者を治して診なさい。」

(治せと言われても、魔法使えないし。駄目だなこれは!)

患者を見ると、俺の前を歩いていた夫婦の奥さんではないか!

俺の年ぐらいの女性。

「では、失礼します。」

金貨3枚払ったから、元はとらないと。

服のボタンを外し、双丘を晒しだした。

「な、なんとハレンチな!」

「これが俺のやり方ですので。」

咄嗟の思い付きで始めた。

心臓の上に手を当てて、先程作った治癒魔石の魔力を俺に流し込み

身体を通って手から吐き出す。

どんどん奪われていく治癒魔力。3割ぐらい減ったな。

患者を見ると、赤い顔が冷めていく。

もう、吸い取られなくなったので終了する。

ほう!初級合格じゃな!

「では次の患者を。」

見る限り検討はついた。

添え木にロープで固定してある。

骨折だな!

「骨折ですね。」

「ほう!見るだけで解るとは。いやはや。」

(どう見ても、何処から見ても骨折しかないじゃないのかなぁ!)

骨折部分に触り、先程と同じやり方で治す。

6割ぐらい吸い取られて止まった。

「あれ?痛くない。」

ロープを外して脚を動かす。

「腫れも引いてるし、治ってるぞ!。」

嬉しそうな患者。

「中級試験合格じゃな!」

「では次の患者を。」

患者を見ると口から吐血した形跡がある。

内蔵かな?

服屋根職人と書いてある服を着ている。

屋根から落ちたのか?

「高いところから落ちたのですか?」

付添人が「そうです。早く治してやってください。」

今回も同じ要領で。

どんどん吸い取られて行く。

丸1個分でも足りない。

2個目に突入するがドンドン減っていく。

2個目も空になろうかとしたところで止まった。

(よかった!チャージした魔石を使い果たすところだったよ。)

「うん、上級も合格じゃな!」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ