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異世界での出来事

第8章 南領「バーク伯爵」

消えた後から、剣、槍、防具、盾などの道具が残った。

それらを回収して、次の部屋に行く。

部屋の真ん中に、パチパチと光る物体がダンジョンと繋がっていた。

「これ、ダンジョンコア?」スキアに言われるが判らない。

「とりあえず、ギルトに持って行けば判るんじゃね。」

そして、降りてきた階段を今度は上がる。

30階の階段を上るのは一苦労だ。

来た道を帰る。当然、魔物や魔獣は出てこない。

ようやく、入口にたどり着いた。

森の中を通って、家に帰らなければいけない。

魔獣は2人に任せて、俺は魔物だけに集中するのだが、

1匹も襲ってこない。

ラーシアが「ダンジョン・コアと関係あるのでしょうか?」

そうかもしれないなぁ?

そんな他愛も無い会話をしていたら、村の入り口に着いた。

村人が番屋に詰め掛けていた。

「お前たち、無事だったのか?」

「はい。怪我もなく帰ってきました。」

「遅すぎるので、お前たちの葬儀の話し合いをしておったわ!」

「えっ!それは酷いですよ。」

「3日も帰って来なかったら、誰でもそうなるんじゃよ。」

「えっ?3日も経ってたんですか?」

「そうじゃ。そう言うとるじゃろう。」

「全然、眠くならなかったので、今日のうちに帰ってきたものだと。」

「ところで、洞窟はどうじゃった?」

「はい。全部片付けてきました。」

ルキアが「お宝はありませんでしたけど。剣や防具類は落ちてましたよ。」

バックパックから、装備品を取り出した。

「その剣は・・・・。」

「この剣、知っているんですか?」

「うちの夫の剣です。」

「こっちは息子の防具です。」

「どういう事か、説明してもらえんじゃろうか。」

「30階層のドラゴン2体と戦った後に、その部屋に落ちてました。」

「嘘いうでねぇ!ドラゴンと言えば、軍隊でもやっと倒せるぐらいだぞ。それを2体倒した?誰が信じるんだよ、そんなの。」

ラーシアがバックパックから、黒い龍の鱗・水晶の玉を出してきた。

「これが戦利品です。倒さないと、鱗は剥がせませんし、水晶の玉もとれません。」

これらを見せつけられて、青年たちは黙り込む。

遺品までも、俺達に返してきた。

「遺品は、どうぞお持ち帰り下さい。代金は要りませんよ。」

何度も、お礼を言われて、持ち帰っていった。

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