テキストサイズ

エロース …ときめき探求物語

第11章 夏の夜のアヤマチ …隠されてたトラウマ

豊、パトス、エロースの
思惑が絡み合いながら
翌日を迎えた…


なにも知らない咲は
14年前の夏を最後に
パタリと消息をたってしまっていた
従兄の優しいお兄ちゃん豊が
訪ねてきてくれることに
朝から胸が高まっていた。


―――ウサコちゃん!!聞いてる?
私ね
憧れのお兄ちゃんに
昨日偶然再会してさ…
今日そのお兄ちゃんが
訪ねてきてくれるんだよ~!!
もう胸がキュンキュンしてるよ
あ…
こういうキュンキュンも
トキメキポイントにカウントできるのかな?


咲にしては珍しく
先にエロースに接触を図ろうとしていた。


………―――咲ちゃんが
再会に苦しまなければね………。

とエロースが咲にそう答えた。


――――ウサコちゃん、何かあったの?
今日は元気ないじゃん
心配事?
でも神様には心配事なんて無いんじゃないの?
だって神様なんだもん。


………―――ま、まあね…
咲ちゃん
今日も心の赴くままに
豊だったっけ…
再会の時間を楽しむんだよ…

ただ………。


―――ただ。何?


……――もしも楽しめなければ………
これを使ってみて。



エロースはポシェットから
飴玉のようなものを取り出して
咲に与えた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ