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エロース …ときめき探求物語

第11章 夏の夜のアヤマチ …隠されてたトラウマ

―――これは何?

と咲は手渡された
飴玉を指でつまんで
宙にかざしながら
エロースに尋ねた


………――それはね。
【夢違いキャンディ】だよ
これを舐めたら
辛いことや不安なことが
逆に嬉しいことや幸せに実感できるんだよ


―――なんで辛いことや不安なことが起きるの?
今日はユタカが遊びに来てくれるんだよ
優しいお兄ちゃんなんだから。
もしかして
満には悪いけど
私の初恋の人かもしれないなぁ……って
今振りかえったら
そう思ったりしちゃうくらいだもん!!


と咲は
嬉しそうにエロースに語った。


………――そうなんだね……。
まあ、お守りのつもりで
枕元にでも置いておいて


エロースは
そう言って
キラキラの光のなかに姿を消した。



*******
ここは
神の空間……

『はぁ……心配だよ~』

とエロースはため息をついて
空から眺めるような視界に映る
咲をながめて呟く。

『大丈夫だよ!!あの【夢違いキャンディ】を渡したんなら安心だろ?』

エロースの背後から
神の空間に戻ってきたパトスが
話しかけた。

『そろそろ豊が咲の家にやってくるぜ。』

******


ほどなく

―――ピンポーン!!

咲の家の呼び鈴が鳴り
豊の訪問を告げた。

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