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タヌポエスケッチブック

第32章 チェリーブロッサム

桜の花は汚れがなく美しい。

汚れがない男もチェリー、汚れがない女はバージン。

チェリーすなわち童貞は卒業と言われるように風当たりが強い。
チェリーは恥ずかしいもの、一人前ではないものだと思われているから。

やっと童貞を卒業できたと言われるように、その苦しみから解放されるには長い道程を辿らなくてはならない。

バージンすなわち処女はロスト、喪失と言われるように尊いものだ。
女のコにはいつまでも汚れを知らずに美しくあってほしいと人は願うから、バージンは大切にされる。

男はチェリーを捨てる時卒業と言うが、女はバージンを捨てる時に捧げるとか奪われると言う。
もし捧げてくれるのが自分だったら男にとってこんな幸せなことはない。

チェリーは時に冷たい目で見られ、時に同情され、長い道程を辿る。その辛さが堪えられずに金を払い愛もなく形だけ卒業してしまうこともある。

男って生きるのが辛い生き物だね。

そんなことを考えながら大人気分でチェリーブロッサムで乾杯しよう。

長い道程を辿ってやっとやっと卒業できたあの日に恋人と乾杯したチェリーブロッサムが至福の盃だった。

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