アップルパイと君の隣で
第17章 メールを送るには
「...」
「佳奈さんは誰より何より魅力的です!私は佳奈さんが大好きです!!」
そう言って興奮ぎみに両手を握られ、真っ直ぐな瞳を向けられる。
「ええっと、ありがとう?」
ハキハキとしっかりとした口調で言い切った少女に面食らってしまった。
「はい!今日は本当によろしくお願いします!!」
「どうも、こちらこそ」
「愛奈ちゃん!こっち来て準備してくれるー?」
「あっ、はーい!」
「じゃあ、佳奈さんまたのちほど」
後ろで高くくくった髪が動きに合わせてリズミカルに揺れる。
深々と頭を下げてかけていく少女の後ろ姿を眺める。
「なんか凄かったなぁ...」
キラキラした顔しちゃって。
こんなに真っ直ぐに好きだと言われたのは初めてかもしれない。
先輩から見た私はこんな感じなのだろうか?
いや、先輩と私では感じ方も違うから参考にはならないか。