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アップルパイと君の隣で

第17章 メールを送るには


「ただいま戻りました~」

玄関のドアを開けて、靴を脱ぐとそう声をかける。
鍵も掛かっていたし、先輩はまだ帰っていないと思うけど。
それでも、自然とそんな言葉が出るくらいにはこの生活に慣れ始めていて、それが幸せだと感じると同時に失う時が来ることが怖くて仕方がない。

きっと私はもう1人では生きてすらいけない。

♪~
「ん?」
着信音がしてケータイを確認すると森下さんからのメールだ。

(おつかれさまです😊
今日はお会いできて夢みたいでした💕
もし、良かったら今度のお休みにお食事でもどうですか?)

女の子らしい絵文字を多様したメールにクスッと笑ってしまう。
夢みたいって大袈裟な。
可愛いなぁ。
今度の休みは先輩とは合わなかったし、特に予定もない。

(おつかれさま。良いですよ~)

そう返信をしてふと先輩からメールを貰った記憶がない事に気がつく。
メールホルダーを確認してみたけど、やっぱり見当たらない。

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