アップルパイと君の隣で
第2章 初デート
「それなら俺が食べよっか?颯那だってお腹いっぱいだろうし」
光が気をきかせて声をかける。
しかし、そんな心配をしなくても元々大食いの私のお腹はまだまだ空いていた。
加えてカレーライスは私の大好物だ。
でも、そんな男みたいな食生活を初デートで言えるわけもない。
「そんなっ!申し訳ないですよ!!それに..間接キスになっちゃいますし//..」
私が黙っていると佳奈が少し頬を染めながら言葉を発した。
確かに光の前にはホークしかないため必然的に佳奈のスプーンで食べることになる。
私は全く気にしないがそういったことを気にする子も中にはいる。
「そっか!ごめんね」
それに気づいた光は謝る。
「いえっ//先輩お願いできますか?」
本気で困っているような声で尋ねてくる。
遠慮がちに頷いた私に佳奈は私にだけ見えるように愛おしそうに微笑んだ。