アップルパイと君の隣で
第2章 初デート
「ごちそうさまでした!!」
そんなこんなで佳奈の残したカレーライスを完食した私は満足した気持ちでいっぱいだった。
この店はカレーが当たりだったか。
食べ物一つで我ながら単純だと思う。
佳奈はその間ずっと気味の悪いくらいににこにこしていたがカレーライスの美味しさの前に負けてしまった。
「ありがとうございます先輩♪」
いいものを見せてもらいました、という言葉が続きそうな口調だ。
「光、そろそろ出よっか!映画始まっちゃうよ」
私は佳奈の言葉を無視して光に話しかけた。
「あぁ、そうしようか」
そう言うと光は荷物を持って立ち上がる。
「先輩!また...よろしくお願いしますね」
私も続いて立ち上がろうとすると私の裾を軽く引っ張ると意味ありげに微笑んだ。
私はそんな佳奈を静かに避けると先を歩いていた光の後を追いかけた。
その後見た映画の内容は全く入ってこなかった。