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キミまでの距離

第2章 募る想い

とりあえずビール!って3人で乾杯して。

松兄が次々に料理を出してくれる。

俺と翔ちゃんは大食いな方だから出されたら、うまい!を連発して次々にたいらげた。
そんな俺たちに圧倒されてる和がプッと笑った。

「二宮くん。食べてる?」

「食べてますよー。ふたりがすんげぇ食べるから面白くて。」

松兄がおいしそうな刺身を置いた。

「これは俺からのサービスな。」

「ありがとう!」

「松兄も、お客さん来るまで一緒に飲もうよ。」

翔ちゃんが声をかけると、

「そう?じゃあちょこっとだけ。悪りぃな。」

松兄もビールを手に席についた。

楽しいお喋りとお酒と食事。
気心の知れた友人。

となりには和。

なんか、すんごいしあわせ。

和が“どうしたの?”って目で見てくる。

「ふふ。楽しいね。」

「うん。楽しい。」

ニッコリ笑う和。

色白の和の顔はピンクになってて目もトロンとしてきた。

…ヤバくない?

まず俺がヤバいけど。
やられちゃう。ふやけた和に。
こんな和を人の目に晒して大丈夫?

そんなことを考えてると目の前で翔ちゃんがニヤニヤしてるのに気づいた。

お客さんが入ってきて松兄が、

「いらっしゃいませ!
お前らサンキューな。ごゆっくりー。」

と立ち上がった。

それからいろんな話をした。

俺の会社での失敗や、自分を先輩と敬わないとかを翔ちゃんが面白おかしく話して、俺も負けじと翔ちゃんのいつものふざけた話や、こんなイケメン風なのにコンスタントにある残念な話をして、笑い転げた。

「翔さん。おもしろすぎる。雅紀に負けてない。」

和が言うと、

「あちゃ。もう二宮くんにバレちゃったなー。」

って翔ちゃん。

和と翔ちゃんが仲良くなって嬉しい。

楽しい時間は過ぎて、じゃあそろそろ…と帰ることに。

「また来てな。」

「うん。」

松兄に挨拶してお店を出た。

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