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普通×地獄=不幸↓

第1章 最初の夢と現実

時は、1月某日私は自宅の居間でファンヒーターとTVに背中を向け座っていた。何も考えず、ただ黙って座っていた。前日に起こったことが夢であって欲しいと思った。私の仕事は特殊土木作業だった。現場が終わると次々と全国の現場で働いていた。収入も良く安定していた。岩手県の現場が終了し、秋田県の自宅に帰る日だった。真冬で寒かったが、その日は春 のように暖かい日だった。家族のもとに早く帰りたかった。実は今回の現場で仕事を転職しようと思った。私には子供が3人いる。いつも仕事で、県外ばかりであった。家族のそばで仕事を探し、特に裕福な暮らしなど望まなかった。収入は減っても普通の生活が出来るのであれば。しかし、突然その思いが自ら壊すことになるとは。私は秋田に向かって車を走らせた。岩手盛岡市近くになった時だった。自分の車の前後には他車はいなかった。いつもは、家に帰る時は渋滞であった。1月は路面が凍結するときでこの日は天気が良く温も暖かく、路面状況も良かった。時刻11時頃だった。秋田の自宅に帰る時間を考えると当然路面状況や積雪を思うと早く盛岡市を通過したかった。何かが後方から近づいてくる。赤色灯を点け近づいてきた。私はこの時そんなに気にならなかったがマイクで車両を止められた。この瞬間から、私の人生今この時の歯車が狂いだした。いや、壊れた。交通機動隊が近寄ってきた。速度違反、酒気帯び運転と隊員の口から出てきた言葉。地獄の時がきた。事情聴取を受けた。私は答えた。まず最初に路面状況帰宅急ぎ。次に酒気帯びの件であること。仕事現場宿舎で前日に作業員の仲間が送別会をしてくれた。アルコールが抜けきってなかった。結果、免許取消二年間。私は仕事にも付けなくなってしまった。私の頭には自殺の二文字だけが残った。隊員にも落ち着くように言われ、私の妻に迎えに来る様に連絡をされた。しかし、妻も仕事で子供達もいる。ましてや、秋田と盛岡、雪道で来られるわけがない。結局、盛岡市内ビジネスホテルに泊まるように機動隊隊員から連れていかれた。明日、秋田に帰るように言われた。ホテルに着き部屋に入り、ただ窓から盛岡の夜景を見ていた。朝、外を見ると市内は大雪になっていた。隊員から運ばれた私の車には雪が積もっていた。雪を振り払い自宅に帰った。家に着き家の中入り、私はずっと座り込んだ。怒りもでない、悲しくもない、感情が何も感じない。 つづく

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