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スケッチ

第1章 大宮

「そんなのいきなり言われたらびっくりもするだろ笑」
「まそうだけどさ〜〜」
「飽きたとか?」
「いや、そういうわけでもないと思うんだよね。最近俺が嫉妬すること多いし。」
「ん〜〜じゃあマンネリとか?」
「かなあ? でもなあ...うーん。」
「まあ二人はずっと一緒にいるからってのもあるんだろ。」

ずっと一緒...。確かにその通りだ。

「でも今更マンネリってのもね、なんか変なタイミングだよね笑」
「まーね、でも周りのカップルとはまた違うんじゃない? だって男同士だし、それに付き合おうとか好きとかあんまり言わないんでしょ?」
「言わない、確かに。」
「だからだろ。どうしても飽きてくるんじゃない?」
「でも俺が飽きたらどーすりゃいい?」
「飽きたらって...、うーん。友達に戻るとか?」
「わかんね〜〜、なんかモヤモヤする。」
「ま、俺はニノが飽きるとは思ってないけどね。」

Jはニヤニヤしながらそう言う。楽屋の端っこで俺らはこういうことを話しているけど、三人には聞こえない程度で。
まあたぶん聞いてないんだろうけど。

「ん、俺も飽きるとかそういう感じでもないのはわかってんだよな。」
「じゃあこれを機に話してみたら?んで伝えてみたら?」
「うえ〜〜?好きとか愛してるとか?」
「そ。」
「ないない!てか無理!今更はずい。」
「言わなくてもいいって所が大野さんとの楽なとこだけどさ、やっぱり嬉しいと思うよ?」

そうだよなあ。
そうだよなあ、と二度納得した。
アドバイスしてくれるのはありがたいんだけどさっきからJは俺のことを見ながらニヤニヤしている。

「...何J。」
「え?笑 いや、ニノってさ計算高いのにリーダーのことになると全然だなって。」
「悪趣味。」
「結構俺余裕のないニノ好きだから。笑」

Sめと軽くJを叩いて立った。
翔ちゃんが気付いて時計を見る。

「さて、そろそろ行きますか。」

翔ちゃんの一言と同時にガチャとドアが開いてマネージャーがそろそろでーすと呼びかける。それに俺らは返事をして楽屋から出た。


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