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スケッチ

第1章 大宮

〜ニノside〜

(某日)
最近はなぜか不安と嫉妬が俺の中で多くなった気がする。
もちろん相手は大野さんに。
前まではそんなことなかったのに。
嫉妬はあっても、不安なんてなかった。なのに最近はいちいち気にしてしまう。大野さんが翔ちゃんと話してる時もJと話してる時も雅紀と遊んでいる時も。
どうしてだかは自分でもわからない。
メンバーに対して嫉妬で嫌悪感なんてなかったのに。
時々、独占したい気持ちが強くなってムッつとすることがあっても、それはメンバー以外の人が大野さんに何かしてる時であって。
メンバー同士じゃないのに。

あ、また。
今日大野さん翔ちゃんとべったり過ぎない?
なんで?俺とまだ二回しか話してないのに。

「和也!」
「...あっ、はい!」

反射的に大きい声で返事してしまう。
振り向くとJがお茶のペットボトルを俺に差し出してくれていた。

「ありがとう。」

俺は受け取って飲む。

「どした?」
「...え。」
「大野さんのことばっかりさっきから見てるけど。」

俺はその一言にJにはかなわないな〜〜と頭をかく。

「ばれた?」
「ばれるわ笑」

よく見てるなーと思う。
ていうか、J以外にもみんな察してるのかもしれない。
いくら俺が計算してばれないようにしてても4人には見透かされてるんだろう。...いや、あのバカは除けるか...。

「んで? 喧嘩でもしたの?」
「...いや、そういうわけでもないんんだよね...。わかんない、向こうは怒ってるのかな?」
「え? リーダーが?そうなの?」
「この前さ...しおうとしたら俺萎えちゃって。」
「ブッ笑笑 え、萎えたの!?」

Jは吹き出す。
こういう相談とかよく聞いてもらう。
Jは俺と大野さんの関係に気づいて直球でお前ら付き合ってるの?って聞いてきて以来、話すようになった。

「萎えた笑」
「ええ〜なんでまた? 疲れてたとか?」
「そういうわけじゃなかったんだけどな〜。なんか。」
「あーまああるよな。」
「でね、それで俺が大野さんに冷めたかな?って冗談めかしに言ったの。」
「ひっでえ笑」
「そしたら大野さん、なんかガチで受け止めちゃったのか、えっ?みたいな顔になって。 こっちがえっ?ってなってさ〜。」

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