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スケッチ

第1章 大宮

「大野さん!」
「はあい。」
「ちょっとしっかり立って!?」
「ニノ〜行ける〜? 俺らこの後二次会にも顔出すけど。」

芸能人同士の会にせっかく五人で行けたのに大野さんが潰れた。

「あーー、もうこのまま帰るわ!リーダーフラフラだし、3人でちょっと適当に言っといて!」
「了解〜!」

気をつけてね〜と相葉さんがこっちに向かって手を振ってる。一回見て無視。すると相葉さんは何か怒って言ってるのがかすかに聞こえる。笑
相葉さんからかうの楽しいなあほんと。 そんなことを思いながらタクシーに乗った。

「ありがとうございますー。」
タクシーの人にお礼を言い、マンションのエレベーターに乗る。
「ニノ〜〜〜」
「もうすぐだから」
「うー...。吐きそう。」
「!? 待って!?」

急いで鍵を取って開ける。トイレに連れていく。

「ほら!いいよもう吐いて!」
「げぼっ、うぇぇぇ...」
「汚いなー」

疲れたし、重いし。吐くし。なんでこんなに飲んだし。

「けほっ、ありがとう〜すっきりした...。」
「臭い! もー早く洗面所!」

あ〜俺も二次会行きたかった。ガシガシ頭を掻いて洗面所で口を濯いでる大野さんを睨む。

「もう大丈夫?」
「うん。」

じゃあ、と俺は帰ろうと思って立った。今からでも二次会に戻ろうかと考えていた。いやなんでこんなに行きたいかというと前に映画でお世話になった人がいて挨拶したいからなんだけど...。てかそれしか理由ないけど。

「帰るの?」

背中で声がした。

「え。あ、まあ...。」

めっちゃ嫌そう。帰るなオーラ出てるし。

「大野さん?」
「今日は一緒に寝ないの?」
「え...。」

どうしよう、別にここにいろと言われたらいるけど、きっと大野さんはそんなこと言わな...

「帰らないで。」
「...え?」
「今日泊まっていけばいいじゃん。明日俺休みだしニノは午後からでしょ仕事。」

なんで俺のスケジュールまで把握してるのかは今は触れないでおくけど、驚くべきとこはそこじゃない。

「め、ずらしいね、リーダーがそんなこと言うなんて。もしかしてまだ酔ってる?」
「..........うん、俺もそう思う。」

嘘つけ。バレバレだつーの。
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