出会い系な日々
第14章 遊ばれる女 春菜・六甲
交差点を曲がってすぐに広い駐車場があった
しかも奥には自動販売機がある理想的な環境
これは車を止める理由に使える
しかし相変わらずヘタレ男
いきなりこんな良い場所が現れると思ってないので心の準備が出来てない
以前、エレベーターで久美にキスを避けられたのがトラウマになってる
この六甲山で拒絶されたら宝塚に戻るまで気まずいままだ
あ~どうしよ!?
駐車場の入口がどんどん近づいてくる
俺は覚悟を決めた
「ちょ、ちょっと喉乾いたからジュース飲もか?」
そう言おうとした瞬間、駐車場の入口に何かがギラリと光った
ん!?わ~お!!
思わず声が出そうになる
それは夜間に車の進入を防ぐための鎖だった
あっぶなー!
「何飲む?」なんて話してたら気を取られて突っ込んでたかも知れない
動揺をひた隠しながらそこを通過
気合を入れた分、ドッと疲れた
何やってんねやろ…
さっきから馬鹿みたいに一人で浮き沈みを繰り返してる
心が折れそうだ
*前ページのゾッとする恐怖はこの事ではありません