出会い系な日々
第14章 遊ばれる女 春菜・六甲
もう頑張るのやめた…
挫折した男は無気力だ
口数も減って沈黙の時間が増えていく
そのまま曲がりくねった細い道を数分走るとロープウェイの駅が現れた
展望台はこの近くらしい
でも辺りは真っ暗闇で、怪しげな車が数台止まってる
とてもじゃないがこの先に行く気にはなれない
仕方なく駅の横から夜景を眺めてみる
確かに綺麗ではあるけど木が邪魔で一部しか見えない
これなら十国展望台の方が見晴らしがいいし設備も立派だ
「イマイチやなぁ…」
「そお?綺麗やん」
「いや、十国はもっと綺麗やねん。やっぱり戻ろか」
「そうなん?無理せんでええよ?」
車を止め損ねるわ、夜景はイマイチだわ、テンションだだ下がり
春菜が笑ってくれてるのがせめてもの救いだ
再び車に乗り込んで今来た道を引き返す
もう十国展望台で夜景見たら帰ろうか…
初対面でいきなり約束もなくエッチする事に無理がある
完全なネガティブ思考
ところが直後に起こるアクシデントが事態を大きく変える