出会い系な日々
第14章 遊ばれる女 春菜・六甲
既に日付も変わって気温がグッと下がって来た
心なしか路面が光って見える
まさか凍結は無いだろうが、山上なので急に凍ってもおかしくはない
俺はかなりスピードを落として慎重に車を走らせた
左右にハンドルを切りながら、きついカーブを何度も曲がる
しばらくすると木々の間からあの駐車場が見えて来た
あそこまで行けば大丈夫
ホッとしながら次のカーブでブレーキを踏み、ハンドルを切り始めた時だった
えっ!?
ハンドルから手応えが消え、そのまま真っ直ぐ滑ってく
ヤバい!
一瞬体が固まった
ABS装備の車なら思いきりブレーキを踏めば最短距離で止めてくれるが、この車でそんな事したらカーリングみたいに滑ってく
まずハンドルを直進状態に戻して一旦ブレーキから足を浮かせた
スリップに慣れてないとこれが怖くて出来ない
そこから効くか効かないかの限界を探りながら小刻みにブレーキングを繰り返し、タイヤが路面を掴むのをひたすら待つ
山の斜面まであと数メートル
車はゆっくりと何かに引っ張られる様に滑って行った