
出会い系な日々
第16章 デカイ女 麗子・自滅
緊張しながら京橋へと車を走らせ、待ち合わせ場所には約束の10分前に到着した
それらしき姿がないので電話してみる
「あれ?どこ?」
「公園の前の歩道にいてるで」
今通り過ぎたはずなのに…
Uターンしてその辺まで戻ると反対側の歩道に人影があった
いや、あれはさっき通った時にも居た男だ
「どこや??」
しばらく進んでから車を停めて電話すると、やはりその公園前の歩道にいると言う
「ハザード出すから手振ってな」
「わかった」
再びUターンしてハザードランプを点滅させながら公園へと近づいて行く
次は間違いなく麗子と対面するだろう
二ヶ月も毎晩の様にメールを交した上でのご対面
あ〜嬉しいような怖いような!イメージと現実のギャップは?実物の方が良い悪い?めっちゃ可愛かったらどうしよ!
心臓がハザードランプの点滅に合わせて時限爆弾のタイマーのように鳴り響く
公園が見えて来た
いるのはやはり石垣に腰掛けてタバコを吸うマッチョな男だけ
目を凝らして周りを見るが誰もいない
するとその男が立ち上がって手を上げた
「????????????????」
なんで男がこっちに手を上げてんだ?後ろにタクシーでもおる?いや、おらん…えっ?俺に?まさか麗子の男友達?おいおい絡まれるんちゃうやろな?
頭の中は大混乱
そいつは明らかに俺に向かって手を振っていた
「えっ?まさか?えっ?えっ?ウソやろ??」
事態を飲み込むにつれハンドルを握る手が震え出す
ダボっとしたトレーナーにジーパンを履き、深くキャップをかぶったラグビー選手みたいなズングリ体形が、ふてぶてしくタバコをプカプカ吹かしてる
まるで実写版ジャイアンだった
