出会い系な日々
第4章 東京の佳奈・再会
時刻は既に午前10時半
家を出てから5時間半経ってる
昨日の晩から何も食べてないので眠気より腹がへって倒れそうだ
バスを降りてすぐ手を繋いでくる佳奈
歩きながら喋り続ける佳奈の言葉は右から左へと流れてく
「とりあえず何か食べよか?」
「うん♪」
イライラを隠して可能な限り穏やかに誘う
軽く目眩もしてきた
適当なカフェに入り、朝からパスタを注文
お腹が膨れるにつれてささくれ立った心が和らいでいく
「ふ〜っ、やっと落ち着いた♪」
「良かった♪いっぱい待たせてごめんね」
そう言う佳奈を改めて見ると、前に比べてかなりポッチャリした様な…
会えたのがよっぽど嬉しいのか、溜め込んだ想いを吐き出す様に喋り続けてる
そんな様子を見て素直に楽しい時間を過ごさせてあげたいと思った
「とにかく東京からよく来たな。この二日間は楽しもな♪」
「うん!あれから二週間この日のために生きて来たから♪」
やっぱ少し重い…
腹ごしらえも済み、多少元気を取り戻したところでカフェを出た
地下鉄に乗り込んで向かった先は、今や破綻し更地となったフェスティバルゲート
知らない人の為に説明すれば、新世界は通天閣の近くにある屋内型遊園地である
屋内型と言っても建物の周りを縫うように走るジェットコースターが目玉でかなりの規模だった
遊園地好きな佳奈はバスの長旅もなんのその、初めて見るタイプの遊園地に大はしゃぎ
さっそく乗り物や室内アトラクションに乗りまくった
その後も昼飯や雑貨屋さん巡りなんかしてるとあっという間に昼さがり
この頃になってドッと眠気に襲われた俺は少し休もうと佳奈をベンチに誘った
「ごめん、めちゃ眠い…少し寝かせて」
「うんいいよ♪朝しんどかったしね。膝枕したげる」
デート中に寝るのは失礼だと分かっていても、このままでは夜までもたない
この日は日差しがきつかった
日陰のベンチが空いてないので仕方なく日の当たるベンチで膝枕してもらう
だが何度も眠りに落ちようとする俺を灼熱の太陽が容赦なく照りつけた
30分程ウトウトしただろうか
顔半分がヒリヒリするのを感じて寝るのを諦めた