出会い系な日々
第4章 東京の佳奈・再会
腕まくらしてた腕を引き抜く
寝返りうって佳奈に背中を向けても効果なし
佳奈の足側に頭を向けても意味なし
テレビの音で中和させようとしたら余計にうるさい
こんなに眠いのに寝れない地獄
最後は寝るの諦めてどん兵衛を食べる始末
うどんをすすりながら恨めしそうに佳奈を見つめる
布団を蹴飛ばして大の字になり、大きく開いた口から唸るようなイビキを炸裂させていた
好きな女なら幻滅である
起こして一言物申したいが、そうすれば佳奈は気にして朝まで寝ないだろう
「はぁ…我慢しよか…」
俺はベッドから離れると、つまらない深夜テレビをボーッと眺めてた
その後もイビキが止まる気配はない
気がつけばカーテンの隙間が白くなり始めてる
「夜明けやん…何してんねや…」
哀しい気持ちで床に転がった辺りから記憶がない
再び目が覚めると1時間程しか経ってなくてガッカリした
床で寝ると体が痛い
ティッシュを丸めて耳に詰め込み、再びベッドで寝ようとしたがほとんど寝れず
結局2時間ウトウト出来たかどうか
午前9時過ぎに佳奈が目を覚ました時、俺の機嫌がすこぶる悪かったのは言うまでもない
「おはよ♪」
屈託のない笑顔で朝の挨拶
そんな顔を見るとイビキの事は言えなかった
「おはよ…あんま寝れんかったわ…」
もう一泊あったら間違いなく言っただろうが佳奈は今夜帰る
イビキの件は伏せて、このまま楽しい思い出だけを残してあげる事にした
ホテルを出ると太陽の陽射しがこれでもかと照りつけた
「これは保たへん…」
昨日以上の暑さに不安を感じながら道頓堀へと向かった
佳奈は「づぼらや」「くいだおれ人形」「カニ道楽」など、大阪ぽいキーホルダーをお買い上げ
そしてランチはオムライス発祥の店「北極星」本店でいただいた
お腹を満たした後はミナミを離れる
佳奈が乗りたがっていた観覧車の為だけに天保山へと向かった