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出会い系な日々

第5章 東京の佳奈・別離


打ち込んだ文字が画面に表示された

改めて別れを切り出した事を実感する

佳奈のショックを想像するとまた誤魔化してしまいそうだ

「いやここでハッキリさせんと…」

俺は佳奈の返答があるまで考えるのをやめた

長い沈黙…

「どういう意味?」

佳奈の言葉が画面に浮ぶ

逃げない、憎まれても最後まで言う

「もう会えない。俺はもう佳奈の彼氏ではいられない」

「別れるってこと?」

「うん。終わりにした方がいい。ごめん」

傷つけたくないフリして自分を守るのはもうやめた

「そうなんだ ごめんちょっと待って」

それから15分以上沈黙が続いた

号泣してるのが手に取る様にわかる

胸を掻き毟りたくなるよな最低の気分だ

でもこれは先延ばしにしてきたツケ

全てを受け止める

「待たせてごめんね。泣き過ぎて下で顔洗ってきた(笑)」

(笑)がつらい

「ごめんな…」

「なんとなくそんな気がしてた。話す回数も減ってたし。だから思い切って大阪に行くって言ってみた(笑)」

佳奈は覚悟して大阪行きを宣言してた

俺はそれに全く気づいてなかった

「そうか…もうごめんしか言われへん…」

「ううん、もう分かったから。今までありがとうね。一緒に過ごせて本当に幸せでした(*^_^*)」

もう感情が抑えられない

「最悪やな、ごめんな ごめんな」

パソコンの前で声を堪えて泣いた

言いたいことは山程あるのに決して俺を責めようとはしない

佳奈の優しさがたまらなかった

「一つ聞いていい?」

「うん、いいよ」

我に返って涙を拭う

この質問は間違いなく核心を突いてくるはず

答えを間違えばさらに傷つける事になるし、時間がかかれば信憑性も下がるだろう

俺は心を落ち着かせて集中した

「いつからそういう気持ちになってた?」



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