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出会い系な日々

第5章 東京の佳奈・別離


予想より優しい質問でホッとした

なんて答えるか

全て真実を話す?

もうそんな事が出来る段階じゃない

佳奈が一番傷つかない言葉で送り出すのが大前提

ずっと前から嘘をつき続けると決めている

質問に対する答えもすぐに作り上げた

「大阪で会った後しばらくしてから。また離れて1人になって、遠距離は無理だと思った」

この時点で彼女がいるかどうかは俺にとって大きな理由じゃなくなってたし、それを明かすのはあり得ない

重いとか彼女として見れないなんて相性の範囲だろうし、それを口にすれば佳奈が傷つく

これが最善の落とし所だと思った

「そっか…それで少し安心した(*^_^*)私一人で盛り上がってたかと思って(笑)」

顔文字や(笑)がグサリとくる

いっそ激しく罵ってくれた方がどれだけ楽か

そう思うとまた泣けてきた

「そんな事はぜったいにないから!ほんまにごめんな…」

謝ることしか出来ない卑怯な俺を佳奈は最後まで責めようとしない

知り合った時から変わらない優し過ぎる彼女のままだった

こうしてチャットで始まった佳奈との物出会いは最後もチャットで終わりを告げた

その後、2人は泣いたり笑ったりしながら思い出話を続け、それは窓の外が明るくなるまで続いた

ずっと抱えてた重しが取れたのか久しぶりにたくさん喋れた気がする

やがてチャットの終わりを悟った佳奈が問いかけた

「もう全部終わり?もうチャットもしてくれない?」

別れた男女はどうすべきか

俺の考えはこうだ

「別れたら全部終わった方がいい。これは俺の経験やけど半端に繋がってる方がしんどいで?」

実際に振られた経験から話した

「わかってる!すぐには無理やけど必ず気持ちの整理するからお願い(>_<)」

「俺は嬉しいけど出来るん?振り返らずに進むのが一番楽やねんで?」

「うん、でもショウとのチャット凄い楽しいし、何でも話せる親友失いたくない(>_<)」

今はまだいい

でもこの後に佳奈が実感する辛さや悲しみが痛いほど分かるだけに、すんなり受け入れられなかった



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