出会い系な日々
第6章 豊中の久美・憤慨
花火は駅から少し歩いた猪名川で開催される
堤防を上がると河川敷にはズラッと屋台が並んでいた
「あっ屋台!何か食べよ♪」
子供の様にはしゃぐ久美
河川敷に下りて屋台を巡る
もちろん手はずっと繋いだままだ
屋台でタコ焼きやジュースを買う度に久美は大きな声で「ありがとう♪」とお礼を言う
どこかスレてるイメージがあったので、こういう素直な面を見せられると凄く良い子に見えた
ギャップは魅力だ
今日はいい意味で予想を裏切られ続けてる
「久美と付き合うのもいいな♪」などと妄想するぐらい惹かれ始めてた
これが最後まで続けば最高なんだけど…
見物人でいっぱいの堤防を歩き、わずかに空いた隙間に腰を下ろす
座ってすぐに花火が上がり始めた
そんな大きな大会ではないので期待してなかったが、距離が近いのでなかなかの迫力
大混雑で遠くから見るしかないPL花火より全然いい
途中で意味不明な仕掛け花火があり、みんな不思議がってると「伊丹市のマークです」との放送が
「なんじゃそりゃ」
会場全体が失笑に包まれ、横を見ると久美も笑ってる
その時、花火に照らされた久美の笑顔が可愛かった
花火は一時間程で終了し、人の波が一斉に移動し始めた
ここからが勝負だ
「さあ、どうする!とりあえずキスしたい♪そしてホテルに入れば夢の浴衣プレイだ!」
久美を後ろから眺めると、浴衣の薄い生地に浮かぶお尻の柔らかなラインがたまらない
少し前にあそこにバックで突き立てていたのを思い出して興奮する
キスより先にお尻に触りたくなってきた
正直もう新鮮なデート気分は消えてやりたくて仕方がない
ところが現実は大混雑で、まともに歩くのも困難な状態だった
仕方なく阪急よりも近いJR伊丹駅に向かうが人の波はなかなか進まず、暑さと疲れで口数も減ってきた
でも俺の欲望の火は消えやしない
1時間近くかかって駅前に到着すると、休憩しながら久美をどう誘うか作戦を練った