テキストサイズ

出会い系な日々

第6章 豊中の久美・憤慨


その後、久美とはまた音信不通になる

メールしても音沙汰なく、一週間ぐらいして気の抜けた返事が来る感じ

付き合ってもないので不満に思う筋合いでもないが正直イライラする

あの花火大会で感じたトキメキはすっかり消え去っていた




そんな9月のある日、珍しく久美からメールが来た

「ショウ今日空いてる?三ノ宮に用事で来てんねんけど終わってから遊ばへん?」

またもいきなりのお誘い

しかも今日である

「舐めてんのか!」

…と言ってやりたいところだが、そこは焦らされまくったお猿さん

可能性が少しでもあれば飛びついてしまう

「うっひょ〜!久美とエッチや!」

そう決めつけてテンション急上昇

「わかった!今から行くわ♪」

大急ぎで準備を済ませると、照りつける太陽に焼かれながらウキウキで神戸に向かった

ただ一つ引っかかる事が

久美の言う用事とは、あるバイトの面接を受ける事らしい

なぜそんな遠い職場にしたのか尋ねると、彼の仕事が明石なので仕事終わりに会いやすいからだと言う

つまり彼の為に神戸まで通勤して働くのだ

一途な女だなと感心しながらも、一途なら彼氏の為に面接する場所に俺を呼び出す気持ちがわからない

①完全にただの友達としか思ってなくて時間潰しに呼んだだけ

②彼とはまだちゃんと付き合ってないから俺とも遊びたい。エッチもいいよ♪

③またショウとエッチしたくてたまらない!今すぐ抱いて!

③は論外として①か②どっちなのかが重要である

客観的に見れば①だろうが、普段ろくに会話もせず一度抱かれた男を友達と思うだろうか?

まさか俺が男女の友情を大切にする清廉潔白な好青年だとも思うまい

実際ただの暇潰しならわざわざ神戸まで行かないし

花火に行く時と似たような迷いを繰り返してる

これはつまり久美の気持ちが読めてないって事だ

明らかに振り回されてる

薄々感じてはいたが俺の苦手なタイプかも

血液型で言えばAB型

気分で性格が変わる女が好きじゃない

初めて付き合った女がそれでえらい目に遭った

久美もそうなんじゃないか?

それがハッキリする出来事がこのあと起こる



ストーリーメニュー

TOPTOPへ