出会い系な日々
第6章 豊中の久美・憤慨
移動中にあれこれ考えた結果、神戸まで行って何もなければ只のアホだという結論に至る
暇な時に呼ばれるだけの男にだけはならないと固く心に誓った
やがて三ノ宮に到着し、改札で久美と合流
「面接終わったん?」
「うん終わったよ♪来てくれてありがと」
「かまへんよ、どうせ暇やったし」
いい人を演じるエロ猿
「今日はもう帰るだけやったん?」
後で彼に会うとすれば完全に時間潰しなので確認する
「うん帰るだけやってんけど、神戸まで来たのにもったいない気がしてショウ呼んでみてん♪」
まずは第一関門突破
だが、まだどちらとでも受け取れる台詞だ
「じゃあどうする?」
ラブホ行きてえとは言えない
「カラオケ行きたかってんけどいい?」
「えっ?カラオケ?ええよ、行こか…」
神戸関係ないやん…
でもまずは密室でイチャイチャするのもいいか
駅を出て近くのジャンカラに向って歩き始める
今日は手を繋いでくる気配なし…
さっきから常に期待の少し下を行っている気がして、だんだん嫌な予感がしてきた
受付を済ませて入室すると、やたらと広い部屋だった
狭い方が何かとやり易いのに…
とりあえず健康的に歌い始める
お互いに「上手いね〜♪」などと褒め合いながらいい雰囲気
部屋を暗くしてたのもあり、抱きつきたくてムラムラしてきた
ところがである
30分ほど経った頃からおかしな空気が流れ始めた
最初の異常は久美が携帯をチェックし始めたこと
初めは気にならない程度だったのが、やがて俺が唄ってる間ずっと携帯を見てる状態に
またかよ…
伊丹の再現である
「なんかあったん?」「彼から?」と何度か聞いてみたが「ううん、大丈夫」と流される
俺の前で一切携帯を見るなとは言わないが限度があるだろ
入室して一時間経過した頃には歌いもせずにずっと携帯を見て、電話のためか頻繁に部屋を出て行く始末
明らかに顔色が変わってる
何か問題が起こったのは分かるが、ここまで無視されるとさすがにムカついてきた