出会い系な日々
第6章 豊中の久美・憤慨
ただの友達ならとっくに説教してるところだがスケベ心がそれをさせてくれない
でもムカつく!
何があったか聞いても答えないし、俺一人で唄ってるし
かといって無理に言わせて敵意を持たれたら全てがパーだ
落ち着いて向こうから話してくるのを待とう
焦るな、焦るな、全てはエッチのため
ショック→落胆→相談→慰め→エッチ
この流れを狙うのだ
しかし事態はますます悪化していく
部屋の中はほとんど俺一人だけ
外でずっと電話してやがる
呆れて話しかける気にもなれない
こんな屈辱的な扱いは初めてだ
結局このままカラオケ終了
俺は憮然として部屋を出ると、無言で会計を済ませてエレベーターに乗り込んだ
後から来た久美は何でもない風を装ってるが明らかに表情が暗い
「ええ加減にせえよ」
何度も言いそうになっては飲み込んだ
「何か大変なことが起こったのかも…誰かが亡くなったり触れてほしくない事が…」
「だからなんやねん!神戸まで呼び出しといてこんな扱いあるか!」
頭の中でこの2つがグルグル回ってる
このままでは埒があかない
俺はもう一度尋ねてみた
「何があってんな?」
怒りを抑えてるが口調は強い
「なんでもないって…」
ぶっきらぼうに答える久美
ああ、そうでっか!
もう、どうでも良くなった
俺はキレる前にいきなりキスしてやろうと顔を近づけた
これでダメなら全て終わらせるつもりで
案の定、久美に避けられ見事な空振り
怒りと恥辱でおかしくなりそうだ
もうコイツとは縁を切ると決めた
外に出て行くあてもなく無言で歩く二人
最後にもう一度確認して、それキッカケでブチ切れてやる
俺は我慢するのをやめた