テキストサイズ

出会い系な日々

第6章 豊中の久美・憤慨


やっとこさ帰宅してホッと一息

まだ怒りは収まらず、やっぱり何か言わないと気が済まなくなってきた

最後に俺から終わらしてやる

「今まで楽しかったわ!元気でな!さよなら!」

嫌味たっぷりお別れメールを送信

ただ直接的な暴言を避けて何かしらの返事も期待する

言いっ放しで終わるのも腹立つし、真相を知りたいのもあったから

それでも無視されるだろうと思ったら意外にも即返信が来た

「さっき彼と別れた…」

「えっ?」

驚きはしたが予想の範囲内

だからと言って俺への態度は許せない

なぜ【話を聞いて欲しい→飲みに行く→酔って泣く→一人になりたくない→抱いて♪】の黄金パターンにならないか

でも彼のために神戸で働こうと面接に行き、その日に振られたショックは分からなくもなかった

「そうやったんや…。カラオケの時のメールでか?」

「うん、わざわざ来てくれたのにあんな態度してごめんね(>_<)」

この顔文字は反則

売り言葉に買い言葉を想定してたので、こんな素直に謝られると男は弱い

「そうやったんや…辛かったな。話してくれたら良かったのに」

「ごめんなさい…混乱してたのと腹が立って余裕なかってん(>_<)」

彼のために神戸で働くと話した俺に言いにくかったのもあるのだろう

別れの理由は聞かなかったが「おまえなんかいらん!」と言われたらしい

俺はそんな奴だろうと思ってたので驚きはしなかった

向こうが会いたい時だけ呼び出す関係

久美と俺と変わりはしない

中身はスッカラカンだ

でも話を聞いてる内にこれがチャンスである事に気づく

ある意味、邪魔者がいなくなったのだ

「彼がいるからエッチしない」と言われる可能性が消えた

さあ、どうする?

俺は次に切るカードをどれにするか慎重に選んだ





ストーリーメニュー

TOPTOPへ