愛は要らないから…
第10章 嫉妬
次の日の朝
俺は目覚めると
大和を起こさないようにそっとベッドから抜け出すと
実家に帰る準備をし始めた
今日までは休みだから
夕方とか、夜まで大和の家に居ても良かったんだけど
明日学校行く準備もしなきゃいけないし
朝に帰ることにしたんだ
俺はシャワーを浴び、着替えて荷物を手にすると
もう一度だけ大和の顔を見にそばに寄った
寝てるし
行ってきますのちゅーくらい…
ば、バレなきゃいいんだもんな…!
大和の頬に触れて
俺は自分から唇を重ねた
「前はおはようのキスは俺からだったし、怒るのに
今は秋の方からするんだもんな…」
そう言うと
大和はゆっくり目を開いた
「え!?起きてたのかよ!」
「ほっぺの感触で起きた」
じゃあしっかりと
キスしたの最初から最初までバレてる…
に、逃げよう…!
「お、俺もう電車の時間が…」「あと少し…」
大和の手に引き寄せられ
俺も横になって抱き締められた
「ずっとこうしてたい」
「それは無理…」
大和に更にぎゅっとされて
言葉の続きを言えなかった