愛は要らないから…
第12章 きっかけ
「あー、えっと、クラスメイトの荒井勇太」
校外学習のお土産の時とか荒井のことは話した事あるんだけど
一応大和にも荒井を紹介した
「あぁ、聞いたことあるな。
いつも仲良くしてくれてるみたいで、ありがとう」
大和はふわりと笑いかけながら
荒井の前に手を出すと、二人は握手をかわした
「いえ、こちらこそ。凄くよくしてもらってますよ」
なんか話題が俺だし、いい風に言われると
少し恥ずかしいかも…
「じゃあ、俺はもう行かないといけなんで…
秋くん、またクラス全員のあれで会おうね」
「お、おう!」
よ、良かった…
会えるのはテンション上がるけど
ずっと気恥ずかしい気持ちでいるのはもう既に限界だ
荒井は軽く俺らに会釈すると
すれ違いに歩いて行ってしまった
「いい人そうだな」
俺らも家に帰ろうと歩み始めると
大和は好意印象だったのかそう言ってくれた
数少ない友達だしそう言ってくれるのは
凄くありがたいし、嬉しく思えた
「うん、凄くいい人で憎めないんだよな…」
「ふーん…
で、また遊びに会うんだ」
あれ、でもなんか不機嫌な顔してる?
妬いてる?なんて
どうせ、ずっと一緒だと思ってたのに
遊びの予定が入ってるのが気に食わないんだろうなって
俺はそう心のなかで笑った