愛は要らないから…
第13章 溢れる想い
「秋くん…好きだよ?」
「っ!……ん…」
荒井の手が頬に触れると唇を不意に奪われた
ぎゅっと目を閉じても
キャーキャー聞こえて視線がこっちに向いてるのが分かる
つか、変な声まで出したし…もう、俺最悪だ!
でも、これはネタ、これはネタだから
バカでくだらない学生のノリだから
こんなのキスとは言えないものだから
だから……
「なげぇ!!」
いくら唇が離れるのを待っても全くそんな気配もなく
俺から後ろへ引こうとしても
頬に触れてる荒井の手が、そう簡単にはさせてくれなくて
我慢ならずに
俺はぐいっと荒井の肩を両手で押し退けた
「あはは、苦しかった?」
「知らん!もう次やれよ、次!」
よくあんなサラッと笑えるなぁ…
はぁあぁぁ…
もう、恥ずかしすぎて頭のなかでもため息しかつけないわ…
早く帰りたい…
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