愛は要らないから…
第14章 俺のもの
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?
背中になにか違和感を感じたけど
それはすぐに消えた
気のせ…
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また背中に違和感
それは地面にカサって音をたてて
なにか落ちる音がした
さすがに気になって机の下にキャンディー包装された小さなお菓子が落ちていた
餌付け?わざと俺に当てた?
それとも偶然?
「ちゃんと食べないとダメだよ」
「荒井…」
なんで…
あれから話しかけられなかったのに
片手にお菓子の袋をもって俺の目の前に立っている
「一緒に食べていい?」
訪ねたのに勝手に前の席の椅子を借りて
こちらに向けて座わった
「はいっ!」
「………」
袋から俺に投げられたお菓子とはまた別の物を
荒井は俺に差し出すけど
俺は驚きと戸惑いで受け取るのに躊躇してしまった
「元気無いの分かるから。気持ち悪いよね…?
ずっと見られてる、みたいに思っちゃうよね
でも…食べて」
っ………
ただ好きなだけなんだ
心のなかにあの時の言葉が何故か思い出された
深い意味は無くて
荒井はただ真っ直ぐなだけ…
「気持ち悪いとかは思ってない
その……
ありがとう…」
照れ隠しで奪うようにお菓子を受け取ってそう言うと
荒井は嬉しそうに顔を輝かせた
「うん!ほら、まだあるから遠慮しないで食べて!」