愛は要らないから…
第16章 あの日の荒井
「あーきくん!」
「うおっ…おはよ荒井」
家から出て学校近くでばったりその名のやつに
肩をつかまれて、驚きつつも挨拶を交わした
「おはよう。今日から三学期かー…また会えなくなっちゃうね」
そっか三年生は
三学期ほとんど通わなくなるからな…
「それで秋くんは専業主婦かー…」
「は!?なに言って…」
荒井の変な言葉に無意識にあの家と大和が脳内に出てしまう
「だってあのあとうまく行ったんだよね?」
あのあと…って……?
「あ!コーヒー!」
「ピンポーン」
冬休み入って夜、男の人に連れていかれそうになったとき
大和と何故か荒井までいて助けてくれた
「まだ礼言って無かったな。ありがとう荒井」
「まあ?ライバルが増えるのは困るから仕方なく?」
「は、はぁ…」
荒井ってそんなキャラだっけか?
「でも、どうして荒井もあそこに居たんだ?」
「それは……」