愛は要らないから…
第3章 大失恋
「静也!」
空港へ向かう電車にそいつはドア付近に乗ってた
声に気づいて俺を見た瞬間
泣いていた
そして俺も
「ばか!嘘つき!」
「…ごめん」
プルルルルル
容赦なく発車ベルが鳴る
こんな事言いに来たんじゃないのに
もう時間がないのに
いざとなると言葉がでない
顔を見れない
「秋、好きだよ」
「しず……」
うつむいた顔を戻すと
もう扉は閉まって俺の声は届かない…
ゆっくりと電車は動きだし
俺は自信のない足で追いかけた
静也は涙を流しながら笑顔のまま
消えていった
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