愛は要らないから…
第4章 兄の慰め
俺には大和って名前の兄がいた
二つ年上で大学受験数日前の頃
そしてその兄とは実は同じ部屋だった
だから、なにも言わないけど
去年引きこもっていたことも、夜出掛けることも兄だけは知っていた
今年も迷惑かけているなって思ってもいたけれど
感情と衝動が止められなくて…
そして少し落ち着くと
また夜に外に出るようになった
早く消したかった
静也の事全部
連絡も取れないのに一日一回送るメッセージもやめたくて
好きって思い続ける感情を終わらせたくて
知らない人と知らないベッドの上で乱れた
なのに
いつも行為後に思うのは静也への申し訳なさと、後悔と、自分の汚さだった
そんなことしてもなにも変わらない
好きなまんま
ただ汚れてるだけだって
ただ最低なことしてるだけだって
忘れられるのはほんの一瞬
なのに
分かってるのに毎日毎日同じことの繰り返し
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