愛は要らないから…
第6章 叶わぬ恋
「いらっしゃ…あらー!春夏秋冬の秋くん?」
ドアを押してカランコロンと音をさせながら
中に入ると静也のお母さんが出迎えてくれた
よかった
俺の事覚えてくれてる…
「そうそう!お久しぶりです
お腹すかしてきたんですよ
凄く美味しいし久々だし、楽しみにしてたんです」
「秋くんうまいわねぇ…ふふっ、あとでデザートおまけしなくちゃね」
「そんな、ダメですよ!」
「いいのいいの、私の店なんだから
どうぞ」
そうして案内されて
俺は席に座った
「メニュー決まったら呼ん…」「あ、パエリアで」
水をコップに注ぎながらそう言われると食い気味に答えた
俺は来る前から食べたいものを決めていたから
この場で注文をした
前に静也から聞いたんだ
パエリアがうまいんだって
だから食べてみたかったんだ
「パエリアね。ちょっと待っててね。」
そう言うと静也のお母さんは奥の厨房へと消えていった