愛は要らないから…
第6章 叶わぬ恋
美味しかった…
あの大きなパエリア鍋に入った分量でも
ちゃんと完食できるほどだ。
「はい」
突然テーブルにコトンと置かれたのは
いちご味のアイスだった
「本当にここまで…ありがとうございます」
もう出された後だし
よかれと思って遠慮しても困るだけだろうから
俺はありがたく食べようと口に運んだ
「こちらこそ。来てくれて嬉しかったわ
ねぇ、秋くん。マンション行くでしょ?」
「へ?」
「もう家の方に連絡したから行っておいで」
それって…
静也の家にって事……しかないよね?
「なんで…いいの?」
「静也は居ないけど妹とも仲良かったでしょ?電話で秋くんの話したら喜んでたよ」
まさか
相手から受け入れられるなんて思ってもなくて
とても驚いた
「行きます、絶対行きます!」
俺は楽しみすぎて、嬉しすぎて
急いでアイスの残りを食べた
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